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球速アップするためにやるべきこととは?より効果的なトレーニングをご紹介!
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野球
2021.03.16
野球人にとって、投げる球が速いかどうかは評価の指標であり憧れでもあります。
特に、近年のプロ野球では150キロを投げる投手がいることは当たり前のようになり、メジャーリーグで活躍中の大谷翔平投手を筆頭に日本人であっても160キロを超えることが珍しくなくなっています。
多くの野球選手も、彼らのように
・もっと速い球を投げたい
・速い球を投げて上を目指したい
と思い、日々練習に取り組んでいるかと思います。
ですが、現実には
・いくら投げても速くならない
・速い球をなげられるのは、持って生まれた才能なんだ
このように悩んでしまう人が大多数なのでは無いでしょうか?
結果が出ず、次第に諦めの気持ちも出てきてしまうかもしれません。
そのように悩んでいる選手のために、本記事を執筆しました。

【関連記事】動的ストレッチマシンホグレルを使った下半身のトレーニング方法
目次
球速アップのポイント
伝達効率の良いフォームになっているか
力を効率よくボールに伝えるには、身体の使い方に着目する必要があります。
全身をうまく使って、ボールに力を伝達させなければなりません。下半身→体幹→腕→ボールと力を伝えられる理想的なフォームを追求しましょう。
地面に座って投げても立って投げた時より強い球は投げられませんよね?
あるいは、肩から先だけで投げて140キロを出せますでしょうか??
人間の身体は、全身をうまく使うことで最大限の力を発揮出来るのです。
投げるためのバランスの良い筋力が付いているか
ボディビルダーのように、ただ筋肉を肥大させるだけでは球速アップには繋がりません。
身体を支えるための下半身の筋力、下半身からの力を接続するための体幹の筋力は必須で、必要以上に腕力を鍛えても行けません。
身体が連動する、バランスの良い筋力を身につけましょう。
全身の柔軟性・可動域のバランスは取れているか
理想的な動きをしようとしても、身体の中で硬い場所があったりすると思い通りに操作できなかったりします。
開脚が得意、前屈は柔らかいとしても、上半身の柔軟性・可動域が十分でないと力を100%発揮できません。
バランスよく鍛えましょう。
球速アップに繋げるトレーニング
力の伝達効率を高める、3つのポイントを意識したトレーニング
1.スキャプラプレーン腕回し
体重移動の局面で腕をコックアップするとき、早く肩甲骨を寄せてしまうと力みが入り伝達効率が悪くなります。肩甲骨の面=ニュートラルなポジションで腕を上げる感覚を刷り込むために取り入れましょう。
ポイント!
①立って行う
②カラダの前方30~45度で腕を上げ下げする
③フォロースルー動作として、両肘をつける
2.ニュートラル腰落とし
人間は立っているときに重力に対してバランスをとっています。この時、少しでも前に傾いていたり、後ろに反っていたりすると重力に対して姿勢を保とうと力んでしまうため、投球時の連動性にも大きな影響があります。
ボールを投げるときには腰を落としていきますが、骨盤が必要以上に前傾したり膝がつま先より前に出過ぎる、あるいは骨盤後傾で背中が丸まっていたりしないように重力に対してまっすぐ腰を落とす意識を覚えましょう。
ポイント!
①立って両脚を広げたポジションでスタートする
②カラダをまっすぐ落とす
③両ひざは前に出ないよう、開いていくイメージ
3.回転軸(Axis of rotation)
体重移動⇒回転の局面では、どうしても背骨を中心にして回ることをイメージしますし、それも間違いとは言い切れないのですが、投球動作においては「開き」を助長してしまう恐れもあります。
軸を真ん中で体重を落としてしまうことで下半身の力がロスしてリリースまでを上体の力に頼る。結果として体幹から力が伝わらず、速い球が投げられないばかりか怪我の原因になる可能性もあるのです。
ポイント!
①身体の左側を止めて軸にする
②左腕を引くイメージではなく、左手に向かって右腕を出すイメージ
ウエイトトレーニング
速い球を投げるには、ウエイトトレーニングも効果的です。
注意しないといけないのは「カラダを正しく使う」ということ。
適当に重い重量をあげれていれば良いのでは無く、いかに全身を上手く使って力を伝えるかという視点を持ってトレーニングしましょう。
※やり方を間違えてしまうと、野球のパフォーマンスが落ちるばかりか怪我の原因にもなってしまう恐れがあります。
身体操作トレーニング
自分の身体を思い通りに動かすためのトレーニングです。自分の動作イメージが、実際の動きと乖離していてはコントロールがつかないだけでなく球速アップもしにくいです。
以下、クーニンTVに相原が出演した際にも話させていただいたメニュー(ほんの一部です)を紹介します。
ジャンプ系のトレーニング
瞬発力、力を伝えるためのトレーニング
①正面ジャンプ
②開脚ジャンプ
※連続ジャンプです。素早く切り返して跳びましょう。
カットイン
立った状態から、前や横などに踏み込む。
どういう形で体重移動していけば、重心を運べるかを覚えます。
※サッカーなどでは、サイドでボールを受けた選手が縦に突破するのではなく内側に切り込んでいくプレーのことを指します。
股関節回し
体動作の感覚を鍛えるトレーニング
立った状態化から、片脚を挙げて動かしていく
①前まわし
②後ろ回し
野球動作は「片脚→片脚」の体重移動なので、片脚の状態で身体をどのように操作するかを覚えこませます。
※トレーニングをした上で、野球動作につなげることが重要です。
ストレッチ
ボールを投げるとき、人間は下から上にカラダを連動させます(足⇒股関節⇒体幹⇒腕 というような感じですね。)。この一連の流れの中で、どれか一か所でも動きが悪いと連動が途切れ力をうまく伝えられません。
どこか一か所が柔らかいだけでもダメで、全身バランスの良い柔軟性がある必要があります。
①股関節まわり
②体幹
は特に柔軟性・可動域を高められるように、日頃からストレッチに取り組みましょう。
【関連記事】動的ストレッチマシン ホグレルを使った股関節周辺のトレーニング方法
ストレッチポールを利用した体操も効果的なので、是非取り入れてみてください
【関連記事】ストレッチポールは効果なし?実は、すごいやつなんです
そのほかに大事なこと
怪我をしない
怪我をしてしまうと数週間から数か月の離脱を余儀なくされるほか、キチンとしたリハビリが出来ないと身体操作の感覚もズレてしまう可能性があります。特に、中学や高校といった時期に大きな怪我をしてしまうと、貴重な成長期を棒に振ってしまいます。
もちろん不可抗力の怪我もありますが、自分でケアをしたりカラダの使い方を見直すことで防げる怪我は極力減らすようにしましょう。
基礎を大事にする
強いチームほど、基礎的なことを徹底的に繰り返します。
なぜなら、それが一番大事だから。
「強いチームほど特別な事をやっている」と思いがちですが、実はそんなことは無いんですね。基礎があるからプレーの中で応用につながるのです。
ぜひ、基礎を徹底的に極める意識で取り組んでください
自分の限界を作らない
あなたは、無意識に自分の限界を作っていませんか?
人間というのは本能的に変化を嫌います。失敗したり上手くいかない経験が多い人ほど、脳がその状態でいることを「当たり前」と認識してそれを変えようとすることに苦痛・違和感を覚えてしまうのです。
これは脳の「ホメオスタシス」とよばれる機能で、人間なら誰しもが備え持っています。
※ホメオスタシスは本来、生物学の用語なのですが、心理学の領域においても使われるケースがあります。
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会「ホメオスタシス」 参照
ホメオスタシスを解除するには、自分の目標とするひとと付き合うか、実現したいイメージを具体的に言語化し自分自身に語り掛ける、等の方法がありますので是非お試しください。
以上、球速をアップさせる方法について解説してきました。
世の中には色々な理論やトレーニングがありますが、原点にあるのは
「人間の身体の構造を知って、どのようにそれを操作するか」です。
是非、色々なことを試しながら、自分にとって良いパフォーマンスが出せるフォームを追及してみてください。