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運動も治療になる。~保存療法で100%以上の復帰を目指す~〈2〉-東京スポーツ&整形外科クリニック-
ホグレル通信
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2020.09.01
繰 り 返 さ せ な い 、本 当 の 治 療 。

理学療法士 高村 隆 先生
-コンディショニングまでが治療-
治療を最後まで考えると、選手であれば復帰してプレー出来ること、一般の人であれば 仕事が出来ること、身体の状態をそこまでもっていくことが本当の治 療 だと思っています。今 、リハビリテーションは、コンディショニングを念頭に行う時代になりました。局所を治療して痛 みが 取れれ ば 終わり、ということではありません。身体のあちこちに痛みが出たり、故障してしまうのは、バランスを崩して身体のどこかに機能不全を起こしている状態なのです。痛 みを生じている局所だけではなく、痛 みの原因がどこにあるのか、そこまで診なければ、本当の治療とは言えないのではないでしょうか。
中学、高校球児に一番多いことは、障害を繰り返すことです。これを止めなくてはいけません。予防をするために、決まってこれをやっておけば いい、この治療をすれば いいということはありません。しっかり休めばよくなったりもします。ですが、復帰して2週間程プレーをしたら、また痛くなったと戻ってくることも少なくありません。実 際 の 投 球フォームを確認すると未熟な手投げのような投げ 方をしている事もあるので、投げ方、身体の使い方が 重要だということが分かります。特にスポーツでは身体の使い方が重要なため、動きを見ることまで含めて治療を行い、繰り返させないことが大切だと思っています。
-繰り返させないための教育を-
リハビリテーションで痛みを取るだけであれば 、治療期間は早く終わります。しっかりと復帰できるようになるには、身体の機能改善が重要で、時間も必要となります。何を求めていて、どんな機能を上げたらいいのかという中に、コンディショニングや身体の使い方といった項目があります。たとえば、身体の柔軟性に問題はないけれど、ボールをキャッチするときに肩や全身に力が入ってしまったり、実際に動くと硬いという子もいます。そういった場合は、骨盤の動き、股関節、足裏の使い方などを変えてみるだけで改善してしまうということもあります。力みによってぎこちなく投げていた状態が、身体の使い方を変えることで改善されたり、痛みなく投げられるようになります。
またスポーツは、維持することも大切です。維持するためにも予防を自分で行うこと、セルフチェックが大切です。お子さんの場合は、コンディショニング の意識ということが難しいと思います。難しい世代こそ、自分たちでやることを教えて、その重要性を理解させてあげることが大切だと考えています。こうしたら良くなるんだという経験を、させてあげることも重要です。自分でコンディショニングコントロールができるようにさせてあげるというのは、とても重要な治療だと思っています。
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運動も治療になる。~保存療法で100%以上の復帰を目指す~〈3〉につづく
※本記事はホグレルスタイル vol.39をWEB用に再編集したものです。