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人工透析患者の方への活用

マシン4台を導入し、人工透析患者様の運動療法に置いて活用してくださっている北見北斗病院リハビリテーション科(北海道北見市)
こちらに通い、ホグレルによる効果を実感していただいている透析患者の樋口和夫様とリハビリテーション科 科長で理学療法士の永井諭先生にお話を伺いました。

 

 

人工透析とは

人工透析は「腎不全」と診断された方が行う治療法です。

腎臓には
①体内に溜まった不要な物質や余分な水分を尿として排出
②血液を作る
③骨を丈夫にする

などの役割がありますが、この腎臓の機能が正常に働かなくなった状態が腎不全です。

 

尿が出せなくなることで体内の代謝が悪化、体重増加や浮腫なども発生。
心臓にも負担がかかるようになり、呼吸困難や高血圧など、心疾患の症状も多く見られます。

一度失った腎機能の回復は困難なため透析によって腎臓の機能を代替するのですが、特殊な装置で体外に血液を出して綺麗にし、その後再び戻すという治療を一回4〜5時間、週3回も行う必要があります。

 

 

腎臓機能低下による不調が、マシンで改善

【患者様の声】
北見市ラジオ体操連盟会長も務める樋口和夫様。
透析患者でありながら、マイナス20度という真冬の環境下においてもラジオ体操を毎日欠かさずに行っています。

 

人工透析による身体への影響

腎臓の機能低下により、体外に排出できなくなった水分は透析により除水します。
この除水の量が多いと以下のような症状が出てしまいます。

 

  • 筋肉の循環に異常が発生し、痙攣を起こしたり足が攣る。
  • ・声帯の筋肉にも影響があり、声がかすれる

 

また、透析は始めて半月も経つと筋力の低下も著しくなります。食べ物や水分の摂取量にも制限があるため栄養を身体に行き渡らせてあげることができず、筋肉や骨も細くなるほどで体重も落ちてしまいます。

 

マシンによって改善したこと

マシンで身体を動かすようになってからというもの、痙攣を起こしたり足を攣ったり、声がかすれてしまうという症状は無くなりました。

透析中は血圧低下の症状もあり(140あった血圧が100まで低下するなど)、運動中は休憩を挟んで血圧上昇を待たないと足が攣るなどしていたのですが、今では低下しても120くらいまでなので足も攣らず休憩を取らなくてもよくなりました。

このマシンによって、透析による実生活への悪影響がが少なくなっていると感じています。

 

 

透析患者の運動療法にはホグレルが最適

【永井諭先生】

透析後は低血圧によるリスクや倦怠感などが生じますので、通常、運動させるタイミングとしては①非透析日②透析前が推奨されています。
ところが、このマシンは血圧の変動が少なく低負荷のため、患者様は透析後にもマシンを使用して帰宅されています。

・低血圧の方には、下半身の運動を行うことで筋ポンプ作用を誘導し心臓への血流を高める
・高血圧の方には、力まないような運動を軽く行ってもらう。

というように患者様の状態に応じた使い分けも可能です。

 

また、透析患者は腎不全の影響と、上腕に血管結合手術(シャント)をしている影響もあり上肢の運動制限があります。
そのため、同年代の健常者と比べて大幅な握力低下などが見られます。

作業療法士による通常の握力強化運動の指導に加えて、ディッピングで前腕の運動を行ってもらうことも組み合わせています。

 

通常、40歳以上で運動習慣のない健常者は年に0.5%ずつ筋肉量が低下するのに対し、運動習慣のない透析患者は年2.5%ずつ減少してしまいます。

 

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透析患者の運動の現状とリハビリテーション科の取り組み

透析患者は昔から安静第一と言われており、運動をすると腎機能の悪化を思わせる現象が見られていました。

ところが最近では「運動による腎機能悪化は一時的であり、長期的に見ると運動をした方が良い」という方針となっています。 

 

北見北斗病院リハビリテーション科では、透析室とリハビリ室が隣同士に並んでおり運動を継続しやす環境を整えています。

 
また、リハビリテーション科で参加している北見市内での健康イベント・健康教室においても若者から高齢者まで幅広い年齢層の方にこのマシンを使っていただいており大変好評です。

従来の運動療法にこのマシンを加え初めに柔軟性を出してから持久性運動や筋力増強運動に進む方が安全に運動を行うことも可能なので、今後も安全で質の高い運動療法を広めていきたいと考えております。

 

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