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ホグレル活用プログラム下肢編(ホグレルとワークの併用)

ホグレル通信

ホグレター

2022.08.26

ホグレルスペースで下半身の動きの指標としている静的動作の前屈と開脚前屈。

指標となる2つの動作は、どのようにしたら変化させられるでしょうか?

 

ホグレルと、ホグレルを使わないワークを組み合わせることで、より効果的なセルフワークになるとのことで、今回は弊社スタッフの理学療法士、高橋が解説していきます。

 

ホグレルをより効果的に活用するために必要な「下肢解剖・機能・構造」に関する知識も学んでいきましょう!

 

 

まずは股関節の構造をきちんと知ろう 

下肢は主に、骨盤、大腿骨、下腿骨、踵骨・距骨で構成されています。

その中で、股関節はどこにあるのでしょうか。

 

実は、脇腹の下部辺りで触れることができる突出した骨は骨盤であり、股関節は一般的に思われているところよりもかなり内側にあります。骨盤と大腿骨で構成されていて、実際に触れることはできません。

 

また関節の構造上、肩関節と同様で球関節のため、動きの自由度が高い関節です。

その一方、肩に比べると大腿骨を覆っている骨盤の形状が深いため、動かしにくくなっています。

 

 

股関節の動き・機能・役割は?

股関節の動きは6種類に分けられます。

 

①屈曲
②伸展
③外転
④内転
⑤外旋
⑥内旋

 

股関節は身体の安定性を保つ機能があり、体重を支持するという役割があります。

 

 

股関節を動かす筋肉は 

股関節の安定性や姿勢を維持するために、大腰筋と深層外旋六筋があります。

深層外旋六筋は6つの筋肉から構成されています。

 

①下双子筋
②上双子筋
③内閉鎖金
④外閉鎖金
⑤大腿方形金
⑥梨状筋

 

外旋すると股関節の適合性がよくなり、大腿骨頭が骨盤に引き寄せられるため安定性が増します。

股関節周辺には、太い血管、リンパ管、リンパ節が走行しています。

 

リンパ液は、皮膚、筋膜、筋肉を伸び縮みさせることで流れます。血液のように自動的には流れないため、身体を動かすことが必要です。

 

 

股関節の特徴

股関節の主な4つの特徴を紹介します。

 

①人体において最大の関節

②三軸構造

③支持性と三軸可動性を併せ持った強力な関節

④最も意識しにくい関節

 

股関節は身体のなかで最も大きな関節です。

膝や肘が一方向の動きをする二軸構造であるのに比べ、股関節は回旋動作の要素が加わった三軸構造となっています。

 

そのため可動性の高い関節となっていますが、支持性もとても強力です。

片足立ちをした時に股関節にかかる力は、なんと体重の3倍ほど。

 

筋肉や靭帯などの関係性もありますが、簡単に崩れることはなくしっかりと身体を支える強さを持っているのです。

しかし身体の奥深くに位置していて触れることができないため、最も意識しにくい関節でもあります。

 

 

股関節の課題

股関節の課題は、日常的な伸縮が不足しているということです。

股関節は止まったり姿勢を保持したりと、主に身体を安定させるために働きます。

 

そのため日常的に動かせている人はあまり多くなく、動かしにくい、意識しにくい、硬さが出やすいといった状態になりやすいといえます。

 

動きの評価(指標づくり)

静的評価を用いて、自分の下半身の状態を確認しましょう。

 

1.前屈 

①基準を揃えるため、両足をつけて立つ

②骨盤から上体を前方へ倒す

 

(チェック)

指先、手のひらがどの程度つくか、つっぱりを感じる部位など、現状の感覚を確認しましょう。

 

2.長座開脚 

①開脚姿勢で床に座る

②上体を前方へ倒す

 

(チェック)

肘が床につくか、柔らかい人であれば額または胸がつくか、つまりを感じる部位など、現状の感覚を確認しましょう 

 

3.ITs(インナーサイ)開脚4.NTH(ネバータイトハム)片足

①それぞれ30回ずつ動かす

 

(チェック)

動かしにくさや詰まり、左右差などを確認しましょう

どの動きも人によって感覚や動きづらさは異なります。各々の身体の状態、感覚が基準となります。覚えておきましょう。

 

 

股関節調整のセルフワーク

ホグレルを使っていても長座開脚がなかなか改善しないという人は、日頃の生活の中で硬くなってしまう要素があるのかもしれません。

日常的にあまり行う機会がなく、苦手な人も多い「回旋動作」のセルフワークを試してみましょう!

 

1.股関節の内旋・外旋 

①床に座り、手のひらを上にして臀部の下に挟む
②身体を前後左右にゆすり、突出している骨(坐骨)を探す
③手を外し、脚を伸ばして長座。坐骨を一番感じられる位置で座る
④③の位置で手を身体の横に置き、坐骨を感じたままさらにゆする
⑤片脚の膝を曲げて立てた後、坐骨を意識しながら立てた膝を内側外側と交互に動かす。(逆側も同様に)

 

(ポイント)

動かしにくいですが最大可動域でしっかりと動かしましょう。足の動きにとらわれず、坐骨を意識しましょう。

 

2.股関節の内旋

①股関節の真下に膝が位置するように、四つん這い姿勢になる
②膝の内側を床につけるように開脚し、肘も床につける
③股関節に自分の身体をはめ込むように後方へ下がる
※お尻はなるべく天井方向へ
④うつ伏せになって脚をゆすりながらリラックス

(ポイント)

股関節の内旋の動きが出てくると骨盤が立ちやすくなり、長座開脚で前方へ動きやすくなります。

 

3.長座開脚 

感覚の変化を確認しましょう

  

4.股関節の伸展屈曲

①四つん這い姿勢から片脚を手の位置に置き換える
※脛が床と垂直になるように
②後脚をなるべく後方へ伸ばす
③前脚を内側から手で掴み、胸を床に近づけるように上体を低く保つ
※呼吸は止めないように
※逆脚も同様に行う

 

(ポイント)

慣れたら、③の姿勢で骨盤を左右に揺すって動かしてみましょう

 

5.長座 

坐骨を感じながら変化を確認しましょう

 

6.ホグレル

セルフワークをする前にホグレルを使った時の感覚との違いを確認しましょう!

坐骨を感じられるようになると、上体が自然に起きた状態になります。

 

日頃あまり使う機会のない股関節の回旋要素を入れて、マシンを使うと相乗効果も高まります。

 

股関節はあらゆる動作で汎用性が高く、とても重要な部位ですので、状態を整えてより動きやすく効率の良い身体づくりを行なっていきましょう。

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